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モンサラーシュに行った理由

いまInstagramで、昨年9月のモンサラーシュ旅行の写真を投稿中です。
今回は、なぜそもそもモンサラーシュに行ったのかというお話。

最初のきっかけはポルトガルの手工芸に興味をもったこと。
ポルトガルには陶器、織物、刺繍、レース編み、そしてアズレージョなどの手工芸がありますが、私はなかでも織物に惹かれました。

私のものづくりに対する興味は、「かわいい、欲しい!」よりも「私も作ってみたい!」ことにあります。
リスボンにはたくさんの手芸洋品店があり、まずはそこでやっている織物のワークショップに参加することにしました。
ワークショップはがっつり2日間、ポルトガル語の説明に「?」を浮かべながらも、織り機を使った実践練習はとても楽しかったです。
糸が自分の手で模様がついた布になっていくことには、たくさんの可能性を感じました。

そしてポルトガルの織物についてネットで調べていて、モンサラーシュにある「ファブリカ アレンテジャーナ(Fábrica Alentejana)」という工房のことを知りました。

『アレンテージョ地方に残る、ヨーロッパ最後の手織りのラグ工房。古くから伝わる技術と図案、柄を当時のままの手法である手織り機で織られています。熟練の女性3名のみによって1枚1枚織られるラグは、生産量が非常に限られており、入手が難しい状況が続いています』
(ファブリカ アレンテジャーナのラグを販売している日本のサイトより要約)

ここのオーナーであるミゼッテさんはオランダ人で、1970年代にこの地方を旅した際にこのラグに恋に落ち、前オーナーから工房を譲り受けたそうです。
こういったストーリーも含めて、私は興味をもち、工房の見学に行きたい!と思いました。

前回のブログ「モンサラーシュへの行き方」で書いたように、モンサラーシュへ行くには、途中Reguengos Monsarazという街を通ります。
ミゼッテさんの工房は、このReguengos Monsarazの町はずれにあります。
そのため、私はモンサラーシュ行きのバスが出るまでの待ち時間に、工房見学をすることにしました。

事前に見学希望の旨と日にちを伝えると、見学はいつでもどうぞ、という返信が届きました。

当日、工房まで歩いていると、工房らしき建物の外壁にはラグの大きな絵が。
ピンポンして入れてもらうと、中はたくさんのラグやサンプル、古い織り機の展示。
そして奥の扉を開けると、コンクリート打ちっ放しの広い空間に大きな織り機が10台以上
あり、カシャン、カシャンと女性たちがラグを織る姿が
織り機によって作りかけのラグがあり、女性たちはたまに場所を変えながら大きなラグを織っていました。

織り機は本当に古くて歴史を感じさせるもので、女性たちがそれをリズムよく操って、あっという間にラグを織り上げていきます。
構造は卓上織り機と同じですが、サイズが違う。
夢中になって、ただただラグが織り上げられていくところを見ていました。1時間くらい。笑

この日は3人の女性がいましたが、ふだんは5人で作業しているそうです。
実はここだけの話、「ここで働かせてもらえませんか…!」とお願いしたのですが、断られました。笑

間違えやすいのですが、工房はReguengos Monsaraz(ヘゲンゴス・モンサラーシュ)、店舗はMonsaraz(モンサラーシュ)にあります。
またファブリカ アレンテジャーナの商品自体は、人気のお土産屋「A Vida Portuguesa(リスボンに3店舗、ポルトに1店舗)」にも売っているので、ポルトガル旅行の際は見てみてくださいね。

Instagramのモンサラーシュ編もそろそろ終わります。でも、また行きたいな〜。